九舞協とは

九州地区舞台芸術運営協同組合

「九舞協」とは

九州の舞台芸術に携わる舞台、照明、音響、映像、特殊効果の8社が
“舞台芸術を取り巻く環境改善と業界の発展を目指し、
舞台技術者として「安全」「創造」「技能向上」を三本の柱とし、
クリエイティブ産業の担い手として尽力し続ける”という理念のもとに集った協同組合です。

「舞台芸術を取り巻く環境と課題」

先進国における、舞台芸術は経済を支える創造産業(Creative Industry)として、その将来性に注目し、位置付けされてきました。創造産業とは、1990年代後半に英国で誕生した創造都市の考え方の中で積極的に活用され、日本でもこの考え方を政策に取り入れる都市が少しずつ増えてまいりました。
しかしながら、我々、舞台芸術に関わる技術者の取巻く環境は改善されたとは言えません。日本の産業分類に置いて、我々の業種は、明確になっておらず、他に分類されないサービス業であったり、ディスプレイ業に属した考え方のままとなっています。

2007年の産業分類改定の結果、文化ホールに携わる技術者は802興業場、興業団、の位置づけに付属されており、現状もきわめて不明確なままであります。 2001年12月7日公布・施行の文化芸術振興基本法を発端に文化芸術の振興に関する基本的な方針(第1次基本方針)である。(2002年12月10日閣議決定)「文化芸術の振興に関する基本方針」が定められましたが、07年に見直しが行なわれ、「法的基盤の整備」に加え、各地域の劇場・音楽堂等に対し、「アートマネジメント担当者、舞台技術者等の配置等の支援」「舞台芸術活動が適切かつ安全に行われるよう、環境の整備を図る」ことが明記され、2007年2月9日閣議決定した新たな文化芸術の振興に関する基本的な方針(第2次基本方針)が打ち出されました。

また、舞台技術者の技能・研修・資格制度についても研究され、「劇場等演出空間の運用及び安全に関するガイドライン」が設けられるとともに、劇場法(仮称)の必要性が提案され、劇場の役割と課題を検討する中で提言がまとめられました。「公共劇場」の定義は明確ではありませんが貸館中心の従来型劇場や公立劇場とは一線を画し、地域に根差した舞台作品の創作を主体的に行い、また、その成果を市民が共有できるよう、日常的に演劇活動に親しむ環境作りに努めている劇場を指しているようです。
何れにしても芸術性や創造性を問われるのは事実ですが、現状の地域における文化施設や舞台芸術はこれらの創造性を追求する環境とは程遠い状況のままであると言えましょう。

我々、九州地区舞台芸術運営協同組合は舞台芸術の振興を目的として2004年8月、福岡地区における舞台・音響照明・映像の業者により、福岡地区舞台芸術運営協同組合として設立。我々舞台技術者の技術向上はもとより、地域の芸術への支援活動も年々実績を積み重ねてまいりました。
NPOとの協働による「舞台芸術推進事業」、またビル総合管理サービス会社との提携による「ホール運営事業」において一応の成果を出すことができ、2011年12月にはさらに幅広い組合活動を展開すべくエリアを九州に拡大し、名称を「九州地区舞台芸術運営協同組合」とし、これまで舞台芸術の振興への活動を行ってまいりました。

そのような中で、日本標準産業分類改定(令和6年4月1日施行)においてこれまで不明確であった我々、舞台芸術スタッフが中分類「娯楽業」の枠内にて「舞台芸術サービス業」として分類されることとなりました。

これから舞台芸術の環境が激変する中、舞台技術者として「安全管理」「創造性」「技能向上」の3つの柱を軸に舞台芸術に貢献し、そして創造産業を担うに充分な、担い手として今後とも邁進してまいります。